目を閉じて祈りが静かで在るように雨音を待つ折り畳み傘
傘を差す湿度の高い指先に捧げてみたら花は咲くのか
雨宿りしているあいだに欺いて 賞味期限は明日までです
綿菓子がべたべたとするわたしの手 食べたいなんてきみは可笑しい
雨粒が氷になりゆく 体温で溶かした痛みを窓辺に飾る
ずぶ濡れの視線に知らないふりをして知る焦燥を滴らせる頬
言い訳を聞かされていたい 雨の日の頭痛はきみのせいかもしれない
暗がりで怖がりになる わたしまだ子どもでいたくて灯りを消した
どろどろのまどろみを歩く長靴で迷子になって戸惑う正夢
うつくしい絵画の前で明く夜に絵の具の匂いがあくびに変わる