liite_13-37

雑な文章、メモ、記録。

窓辺の雫

 

目を閉じて祈りが静かで在るように雨音を待つ折り畳み傘

 

 


傘を差す湿度の高い指先に捧げてみたら花は咲くのか

 

 


雨宿りしているあいだに欺いて 賞味期限は明日までです

 

 


綿菓子がべたべたとするわたしの手 食べたいなんてきみは可笑しい

 

 


雨粒が氷になりゆく 体温で溶かした痛みを窓辺に飾る

 

 


ずぶ濡れの視線に知らないふりをして知る焦燥を滴らせる頬

 

 


言い訳を聞かされていたい 雨の日の頭痛はきみのせいかもしれない

 

 


暗がりで怖がりになる わたしまだ子どもでいたくて灯りを消した

 

 


どろどろのまどろみを歩く長靴で迷子になって戸惑う正夢

 

 


うつくしい絵画の前で明く夜に絵の具の匂いがあくびに変わる