web漫画革命

 

お気に入りのweb漫画の記録、感想など。

 

 

 

・氷の城壁

【39話無料】氷の城壁|無料マンガ|LINE マンガ  

何度も読み返すくらい好きな漫画。青春漫画の類だが、シリアスさとコメディ要素のバランスが良く、テンポ感も良い。こんなことあるよね、が詰め込まれていて、少しむずむずする。

読みながら、特に主人公に感情移入していた。冗談や好意なら許されるべきだろうというコミュニティの空気や圧力、土足でこころの静かなところを踏み荒らされること、他人の行動を勝手に解釈して騒ぎ立てる人たち、それらが苦痛で、そしてリアルで、共感の連続。煤を払うように、ほろほろと解すように登場人物たちの抱えるものが描かれている。

自分が前を向こうとすれば相手のことを真っ直ぐに見られるようになり、打ち解けることで見えてくるものもある。人との関わりの中で知る新しさが増えていくと良いなと思う。

 

この漫画を読んでいるうちに思い出したことがいくつかあった。そのひとつがキャッチやナンパについて知人に話したときのこと。わたしはキャッチやナンパをされるのが嫌いで、都会では自然と早足になる。無視するようにしているが、声をかけられた事実は変わらないため、不快になるし、泣きそうになる。知らない男にメンタルをぐちゃぐちゃにされるなんて、馬鹿馬鹿しいがしんどいものはしんどい。自分にとってはそのくらい苦痛であるが、それを自慢だと捉えられてしまったことがあり、嫌気が差してしまった。声をかけられるだけ良いよねだなんて、それが恐怖に繋がる場合もあるのに。人の気持ちを勝手に解釈しないでくれろよ。

もうひとつは"思ったことはちゃんと言う"という意識。今まで、発言自体を諦めてしまうことが少なからずあった。思うことがあるのに、これを言ったら怒られる?面倒臭がられる?などと考えて、話そうとしてからなんでもないと言い放ってしまうことが未だにある。人の顔色を窺う癖はなかなか抜けないし、自分が傷付きたくないという気持ちも強い。この漫画の主人公がぐるぐると考えて発言を放棄したとき、わかる〜×100になってしまった。それでも、何も考えずに話してみる、思ったことは話してみる。それらを頭の片隅に置いていようと思う。

 

『氷の城壁』はLINE漫画で読めます。去年、単行本が出たので待ってました!となった。

同じ作者の『正反対な君と僕』はよりキャッチーなラブコメだが、心理描写が良く、登場人物たちもかわいいのでそちらもおすすめ。画力も上がっている。ジャンプ+で読めます。

 

 

 

・せんせいのお人形

https://www.comico.jp/comic/130?languageCode=ja

"男性が女性を教育する"ことがベースになっている漫画で、タイトルと相まって官能的なものに見えるかもしれないが、決してそうではない。親や周囲の人たちに見放され、愛情を受け取れず、適切に躾されなかった"子供"が正しく教育されることで、いろんな世界を知り、新しい自分へと変わっていく話。わたしは誰かの影響を受けることや誰かによって変えられていく自分が好きなので、そもそもの題材が好みである。トラウマ描写などがあり苦しくなるが、やさしさと愛で溢れていて泣いてしまった。柔らかい絵柄も好きだが、ストーリーが本当に素晴らしい。もっと有名になってほしいような、隠しておきたいような漫画。

作者によると、似ているモチーフは『ピグマリオン』、『マイ・フェア・レディ』、『じゃじゃ馬ならし』、『痴人の愛』。

comicoで読めます。

 

 

 

・恋癖

https://www.comico.jp/comic/164

一見普通の男女の恋模様。蛙化現象に悩まされたり、依存し合って離れられなかったり、危険な存在を断ち切れなかったり…リアリティがある。恋愛における“癖”は人によって異なるはずだとわかっているが、自分とは違った“癖”を知ることはやはりおもしろい。途中、サスペンス要素が強まり、恐怖を感じつつも続きが気になって仕方なかった。登場人物たちは読み進めるほど人間味が出てきて魅力的になっていくので、"沼る"という感覚を理解しかけた…

同じ作者の『around1/4』は去年ドラマ化している。より生々しい大人たちの恋愛の話。

両方ともcomicoで読めます。

 

 

 

・チーズ・イン・ザ・トラップ

【16話無料】チーズ・イン・ザ・トラップ|無料マンガ|LINE マンガ

現実味をあまり感じない、韓国の異質な恋愛漫画。似た者同士に見えてそうではなく、お互いどこか嫌悪し合っているのに上っ面だけが良くて、騙し合っているようで翻弄され合っている。読者に考察させてくれない恋人たち。サスペンスのようにひやりとする場面があったかと思えば、ただのかわいい恋愛だと思わされるような瞬間もあって、違和感を気にしているうちにどんどん引き込まれる。長い作品だが、何度も読み返してしまっている。

ちなみに、映画版はキャラクターの特徴を誇張しすぎていて残念だった。ドラマ版は評判が悪くなさそうなので、そのうち観てみようと思う。

当時はXOYというアプリで読んでいた。現在はLINE漫画で読めます。

 

 

 

・ロマンティック・キラー

[1話]ロマンティック・キラー - 百世渡 | 少年ジャンプ+

ギャグ多めラブコメディ〜ファンタジーを添えて〜といった感じ。慌ただしく進んでいくストーリーの中で、わずかなラブがあり、シリアスさがあり、吹き出してしまうほどのギャグがあり…いろんな要素が詰め込まれているため、めちゃくちゃ振り回される。とにかく笑えるので好きな漫画。

Netflixオリジナルのアニメもあるが、そちらもおもしろかった。動きがあることでより笑える場面が多かったように思う。個人的にアニメの方は★5つだったので、当時、あまり評判を聞かなかったのが不思議だった。

ジャンプ+で読めます。

 

 

 

・青春ブロッサム

【3話無料】青春ブロッサム|無料マンガ|LINE マンガ

韓国の恋愛漫画恋愛漫画というよりヒューマンドラマとかそういったニュアンスに近いと思う。登場人物はとにかく多いがそれぞれにストーリーがあり、また、それぞれがどこかで繋がっている。人と人の繋がりの中で生まれるのはなんらかの感情だけでなく偶然や奇跡だったりして、季節が移ろうようにみんなが変わっていく。いじめや自殺を仄めかすような描写があるため、途中、読むのが苦しかったが、誰かにとっての救済が他の誰かをも救っていたりして、安堵して泣いてしまった。

ドラマ版もあり、そちらも気になっている。

LINE漫画で読めます。

 

 

 

兄に付ける薬はない!

[1話・2話]兄に付ける薬はない! - 幽・霊 | 少年ジャンプ+

中国の日常コメディ漫画。お馬鹿な兄妹を中心に繰り広げられるドタバタ学園生活が笑える。1話ごとに話が完結している上に、1話1話がありえないほど短いので読み応えはないが、通して読むと連続性があり、おもしろさが増すので一気読みするのが良い。わたしはアニメからハマったが、3分ほどの短い尺で観やすく、ギャグのテンポ感も良くて最高だった。アニメが好きすぎたので、正直、漫画の記録はついでである…

ジャンプ+で読めます。現在は休載中。

 

 

 

・ おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!

【33話無料】おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!|無料マンガ|LINE マンガ

偏見ヤバ人間に向けた教科書のような漫画。家族や部下から邪険に扱われている頑固パパがあっけらかんとしたゲイの青年に出会い、自分にはない価値観を知り、他人と衝突しながらも考え抜いて、古い自分をアップデートしていく。そこから、大事な人たちが抱える問題の本質に向き合えるようになり、窮屈だった居場所がちゃんと自分のものになる。固定観念を手放すことは簡単ではないが、きっかけさえあれば視野が広がることはあり得るし、柔軟な自分へと変わることができるのだと思う。また、登場人物それぞれが自分の在り方について疑問を持ったり、苦悩を抱いたりしながら生きており、頑固パパだけの話として完結させていないのが良かった。世の中にはいろんな人がいて、その分いろんな価値観があり、自分と違う人がいるのが当然で、人と違う自分で在って良い。わたしの価値観はおそらく偏ったものだが、それを他人に押し付けるのではなくひたすらに柔らかで在りたいし、自分らしさというものは貫いたままで居たいと思った。

少し前に原田泰造主演でドラマ化したが、そちらも出来が良く、感情を揺さぶられてしまった。原作とはストーリーが異なる部分もあったが、伝えたいことは変わらないのだと思う。

LINE漫画で読めます。

しおり

 

二年生になったら履いても良い紺ソックス。くだらないことで友だちと喧嘩して、お昼休みに音楽室へ逃げ込んだ。なにかあるといつも、部室であるこの場所に来てしまう。グランドピアノの影に座り込み、お昼の放送を聞きながら泣き疲れる。音楽家たちの視線は熱烈だ。そのうち担任が探しに来て、職員室に連れて行かれた。牛乳は好きではないが、職員室で食べる給食は悪くなかった。

毎日提出する生活記録ノートには昨日眠れなかったことを書いた。担任からの項目には、「寝ようと思って焦らないこと」と一言だけ書かれており、その言葉を宝物にしている。しかし、わたしは不眠症ではなく、夜に起きていることが好きなだけだ。ギンガムチェックのパジャマを着ても眠れないふりをしたい。照明を消した部屋で小説を読みたいし、薄暗いリビングで朝方のテレビ番組の無意味さを眺めていたい。

 

体育館で授業があるときには学校指定の体育館シューズに履き替える。採寸して買ったのにサイズが合わず、気分が乗らない。いや、体育は短距離走以外苦手なので、体育館シューズは関係ないのかもしれない。休み時間に友だちに誘われるバスケットボールは楽しいが、ゴールから跳ね返ったボールで小指の骨が折れ、しばらくできそうになかった。

靴箱に上履きを入れ、体操着には似合わないローファーに履き替えたわたしは体育館シューズ入れの青い巾着を振り回しながら昇降口を出る。水飲み場の前で友だちを待っていると、地面から空までがぐるぐると回り始めて、これは目眩なんだろうか。どうしてここに居るのだろう、と思いながら真っ直ぐになるのを待った。心は健康なのに、自分がなぜ生きているのか、なぜこの場所に居るのか、昔からずっとわからない。

 

いわゆる優等生だが、一位になったことがない。英語のスピーチ大会に出ても、書道で銀賞を取っても、生徒会役員はできないし、金賞を取ったことがない。入賞した文化祭ポスターはメインビジュアルではないため、冊子のどこかに白黒で印刷されていた。いちばんになりたいが、目立つのが苦手だから良いのだと思い込むようにしている。実際、赤面症が克服できず、人前に立つことが怖い。いちばんになりたいわたしと目立ちたくないわたし、どちらも本物でどちらも否定できない。安全な場所に居られたが、いつも一歩届かないことが恥ずかしくて悔しかった。

膝丈のスカートが気に入っている。勉強は嫌いではない。しかし、わたしは自分にはないものに強く憧れている。趣味も違う、部活も違う、外見や性格もまったく似ていない友だちのことが羨ましい。その子のスカートは短い。ピアスを開けており、髪も染めている。先生や不良の先輩にガンを飛ばし、喧嘩をふっかけるのが日常茶飯事だ。一年生の頃から好きな男の子は運動部で、外でも廊下でも走っているのをよく見かける。教室でふざけている声が大きく、まるで目立つことを気にしていないように見えた。わたしは友だちや好きな男の子のようになれそうにないが、なるつもりもなく、自分とかけ離れた存在に対してただ憧れていたい。

校則は破りたくなかったが、"わたしではないこと"はしてみたかった。更衣室のロッカーの上に登って恋バナをする。あの先生、ロリコンで捕まったらしいよ。不要物は携帯電話と甲子園の雑誌とiPod。アイスクリームの買い食いが楽しくて、なかなか帰れなかった。流行りのものが好きなので、カラオケではドラマの主題歌を歌い、ゲームセンターではプリクラを撮る。お揃いはかわいい。着信音は恋愛ソング。梳いた髪が垢抜けない。少年サンデーが好きなのを秘密にして、ファッション雑誌を読むのが楽しい。ちょっとえっちな少女コミックは貸し借りをする。好きな男の子に挨拶されただけで胸が苦しい。放課後の陸上部の掛け声が良い。空き教室の教員用机の下に潜り込んで、内緒の話を聞いた。貸してもらったウインドブレーカー。クラスメイトの男の子と友だちカップルと四人で映画館へ行ったが、小説の方が好きだった。バレンタインデーのチョコはいつも渡せない。体操着に下着が透けると友だちに怒られるので気を付けないと。部活の後輩と手紙交換。レンタル落ちのCDを聴く。前の席の女の子のペンケースにはコンドームが入っている。ぶりっ子と言われるのがいやで口を悪くしてみるが、自我とのズレを感じる。友だちの好きな男の子はかっこよく見えてくるよね。香り付きのリップクリームとピンクの目薬。置きっぱなしの教員用ファイルにあったテストの点数一覧はよく見てから届けに行った。大縄跳びがこわい。ベランダの端でキスするときに不良が煙草を吸っている。泣きすぎて目が二重になってから戻らなくなって良かった。ルーズリーフに描いたイラストを五人で交換してファイリングする。振るとかちかち音がする日焼け止めの匂い。初めてリストカットしたらちゃんと痛かった。

"わたしではないこと"をして校則を破るとき、バレて怒られることを期待していた。結局、バレることはなく、わたしは優等生のままで居られた。友だちに合わせないと嫌われるから、喧嘩せずに楽しく過ごしたいから、ひとりになりたくないから。そんなずるいことばかり考え、他人に合わせることが得意になっていく。その代わり、自分の意志は心からも汲み取りづらくなっていった。本物は薄っぺらく、汚れており、間違いだらけの見せかけだ。担任に自首したら、友だちにチクったと言われ、嫌われてしまうだろうか。どうか優等生のわたしを突き放してほしい。

 

お気に入りの大きなぬいぐるみキーホルダーは良い表情をしている。スクールバッグの中身は空っぽだ。テニスコートの裏に忘れ物をしたが、どんなに探しても見つかりそうになかった。わたしはいつも泣いている。グレーのカーディガンの袖が濡れてみっともなくなっても、ずっと泣き止めずにいる。空っぽのスクールバッグにはハンカチなんて入っておらず、ぐしゃぐしゃになった顔をぬいぐるみキーホルダーに埋めた。顔が熱くなり、喉が渇く。いつかの水飲み場で水浴びしたら、涙の居場所がわからなくなった。今頃になって、ようやくわたしは制服を脱いだ。

窓辺の雫

 

目を閉じて祈りが静かで在るように雨音を待つ折り畳み傘

 

 


傘を差す湿度の高い指先に捧げてみたら花は咲くのか

 

 


雨宿りしているあいだに欺いて 賞味期限は明日までです

 

 


綿菓子がべたべたとするわたしの手 食べたいなんてきみは可笑しい

 

 


雨粒が氷になりゆく 体温で溶かした痛みを窓辺に飾る

 

 


ずぶ濡れの視線に知らないふりをして知る焦燥を滴らせる頬

 

 


言い訳を聞かされていたい 雨の日の頭痛はきみのせいかもしれない

 

 


暗がりで怖がりになる わたしまだ子どもでいたくて灯りを消した

 

 


どろどろのまどろみを歩く長靴で迷子になって戸惑う正夢

 

 


うつくしい絵画の前で明く夜に絵の具の匂いがあくびに変わる

 

夜中に割ってしまったマグカップが寝ている間に金継ぎしてあった。だれかの飲みかけの珈琲にはマーブル模様が浮かんで甘ったるそうに見えたので、ぼくはテーブルの上にあったゼムクリップを三つほど珈琲に入れた。スプーンでかき混ぜるとようやく均一な色になる。かちかちと音を立てながら溺れている軟い銀色が可哀想になってきて、口に入れてみたら血液に似た味がした。

 

マグカップのふちをなぞるとさざなみのようで、正しくはなかった。修繕跡だけがぼこぼこしているはずなのに、本来なめらかなふちでさえも波打っている。ぼくのマグカップはまんまるのたまごのように乳白色が柔らかく光って見える。触るとするりとしていて、ワレモノなのに完璧だ。間違いに苛立ったぼくはマグカップを床に突き落として、子どものように泣いてみせた。硝子が砕け散るのはスローモーションで、冷えた珈琲はべしゃべしゃと広がっていく。足元が汚されていくのを眺め、それからパズルのピースみたいな硝子の欠片を拾い集めた。人差し指が切れたけど、血液はゼムクリップに似た味をしているからどうだっていいんだ。過ぎ去った夜中を繰り返したら正しくなれる気がして、ぼくは二度寝した。

三月の良

 

今月良かったものなど。

 

 

 

・反時代ゲーム - 佐藤優

反時代ゲーム

反時代ゲーム

ゆるいボーカルにエレクトロニカ味の強いロック。カクバリズムから出ているアルバム。

そういえば、音楽って感想とかそんなにない。

 

 

 

・After - Gan Gemi

After

After

  • Gan Gemi
  • ジャズ
  • ¥204

最近激推しのジャズ×エレクトロニックのアーティスト。

 

 

 

・not seeing, - Telefon Tel Aviv

not seeing,

not seeing,

冷たさと温かさが共存するようなエレクトロニカ。レーベルは安定のGhostly International。

 

 

 

time will tell - 宇多田ヒカル

time will tell

time will tell

宇多田ヒカルの曲で特別に好き。

 

 

 

・ダイヤモンドの功罪 5巻

[野球漫画賞 佳作]「ゴーストライト」 平井大橋 - 週刊ヤングジャンプ編集部 | となりのヤングジャンプ

本物の天才が夢を捨て切れない大人たちに期待を背負わされ、彼の熱意に反して挫折していく仲間たちがいて…ずっと苦しい。本気で在ることで強さが約束されたら良いのに、なんて思ってしまいそう。某振りかぶる系野球漫画を彷彿とさせる爽やかな絵柄の漫画で、こんなに絶望を感じるとは思わなかった。5巻では初っ端から情緒をぐちゃぐちゃにさせられた。1巻から通していちばん好きな話。

同じ作者がこの漫画を連載する前に描いた読み切りが4つほどあり、先に読んでおきたかったと思った。どんな展開になるのか余計にわからなくなるし、苦しいのは変わらないけれど…

 

 

 

・スキップとローファー 10巻

主人公だけでなく登場人物それぞれにちゃんとストーリーがあって、人と関わる中で悩んだり、うれしくなったり、みんなが“今”に向き合っているのがわかる。青春漫画と言い切ってしまうのが勿体無いくらいリアルな感情が溢れていて、登場人物みんなが愛おしい、すてきな話。10巻ではそれぞれが歩み出す中、変わっていくものも変わらないものもあって良いんだと思えるようなおだやかな風。9巻終わりの画がまた見たくなって読み返した。

アニメもとても良かったのでまた観たい。動きや声が付くことでキャラクターの魅力が倍増した感じがした。途中で挟まるアイキャッチのデザインも最高。デザイナーが気になる。

 

 

 

・泥濘の食卓 1巻

表面上きれいに見えるものでも蓋を開けてみたら泥濘んでいたりして、それが一度絡まり始めたら取り返しがつかなくなる。醜い感情や欲は誰もが内に秘めていると思っているが、気持ち悪くなるくらいの根深さがあり、怖いもの見たさで読んでいる。特に、主人公の直向きさは狂気でしかない。絵の線の細さ、柔らかさから感じる雰囲気と話の質感が結び付かないのもまた良い。

 

 

 

・二代目! 地獄ブラザーズ

BL。絵とデザインが好みで表紙買いしたが、ストーリーもずっとやさしくてずっとかわいい、最近読んで良かった漫画。冥王の二代目たちが修行しながら成長していく、その過程にすべてが詰まっている。3つ目の話のいちばん最後の言葉がなによりもやさしくて泣いてしまった。いつも悲しみよりも温かさで泣きたい。

 

 

 

・ハイキュー‼︎

今年ずっとハマっている。ハイキュー‼︎は全員が主人公という感じがして良い。全員がかっこいい。個人的には4期の試合が熱いけれど、3期の月島を見てほしい。

リンクの貼り方がよくわからず、声優の名前が出ていて困惑。

 

 

 

・チャンス

皮肉の効いたコメディ。映像のセンスが良く、構図やモチーフなども素晴らしい。純真無垢なだけのチャンスを周りが勝手に解釈し、惹きつけられていくというすれ違いがおもしろかった。『フォレスト・ガンプ』が好きな人には刺さりそう。

ハル・アシュビーの映画は『ハロルドとモード』も好みだったので、他にも観てみようと思う。

 

 

 

BLUE GIANT

音楽に魅せられる作品。原作未読だからか、正直、ストーリーには物足りなさを感じてしまった。演奏中の彼らの内面までもが見えてくるような演出がダイナミックなジャズと相まって良かった。映画館など大画面で観ると気持ち良さそう。

 

 

 

・MOONSTAR 810s STUDEN ICEGRAY

MOONSTAR 810s EC STORE / ET002 STUDEN ICEGRAY

f:id:liite1337:20240320012320j:image

差し色の水色がばちばちにかわいいスニーカー。いろんなファッションに合わせやすいし、靴擦れもしない。最近のお気に入り。

 

 

 

・SHIRO FREESIA MIST オードパルファン

FREESIA MIST オードパルファン | SHIROオフィシャルサイト

・Kerzon マイ カリン

マイ カリン|ふわふわのニット – 香水通販 NOSE SHOP

春だからお花屋さんの香りに戻した。使い続けている香水なので、人類モテ♡みたいなバズり方をさせないでほしい。

秋冬はKerzonのマイ カリンを使っていた。大きい瓶なのでがんがん使えて良い。ふわふわのニットの香りとあるが、他の香水では嗅いだことのない形容しがたい香り。外国の柔軟剤のような甘さがある。

 

 

 

・MONO ミネラルカラー文具シリーズ

【楽天市場】【トンボ鉛筆】MONO 修正テープ「モノポケット」 <ミネラルカラー>限定:満勝楽天市場店

f:id:liite1337:20240326005755j:image

蔦屋書店で見かけて一目惚れした。ピスタチオグリーンの修正テープとスティック消しゴムを選んだけれど、同じシリーズでボールペンも出してくれないかなあ。

 

 

 

ケロッグ オートミールごはん

3袋リピートしている。Amazonでセールのときに買うのが良い。オートミールはロールドオーツタイプのものが独特な甘みや粉っぽさが少なく、粒感があって食べやすい。

暴食したくなったときに我慢すると反動がくるのでオートミールを食べるようにしているが、自分に合っているように思う。あとは、偏食に対するリハビリ目的。お茶漬けの素と合わせて食べるのにハマっている。

 

 

 

エゴン・シーレのノートなど

セリアで購入。百均のものは書き込みが雑になってもあまり罪悪感が湧かず、表紙も好きな画家の絵なので文字を書くモチベーションが保てて良い。今まで、ちゃんとした手帳やノートを買っても書き損じると萎えて使わなくなることが多かったので、自分にとってのちょうど良いにようやく出会えた気がする。

セリアのミュージアムシリーズはゴッホやモリスのような有名どころだけでなく、シニャックやシーレのような画家の雑貨も取り扱っていてうれしい。有名な画家の絵でもマイナーなものが使われていたりするのも激アツポイント。商品開発部に結構な美術オタクがいると思う。最近の百均の進化に感謝します。

うつわ

 

遠くではじける花火に見惚れていたら、わたしという空っぽな器には意味が与えられていた。ここのところ、ずっと喉が渇くんだ。高校の自動販売機でメロンソーダを買って、飲み干したら歩くたびにしゅわしゅわと音がした。空になったペットボトルは案外頑丈で、穢れなく、わたしはいつも卑屈になる。美しい色である透明が価値を持っていることが羨ましいと思った。

 

着色された器はからだに悪そうな飲み物を好んだ。鮮やかな緑のメロンソーダは薬のような味がするので、騙されたふりをしてあげる。炭酸が消えゆくのを待って、さざなみさえ起きないように準備をして、祈る。あのとき、雑踏を見上げていた金魚が飛び降りて、わたしは水槽になる。金魚を飲んで水槽になる。


犬のように飴玉を待って、口を開けば閉じた鋏が舌に当たる。ひんやりとした金属の味がゆっくりと喉の奥まで近づいて、嗚咽する瞬間に出て行った。目を開けられずにいると、呼吸の前でかしゃんと鋏を閉じる音がして、ぼくを予期させる。痛みには誤差があって、いつも傷だらけになり、幾分化膿してから気付く。痛くても今更泣き喚く気にはなれなくて、涙がだらだらと滴っていくので湿度が上がった。

 

浴室に嘘を閉じ込めて、監視していて。磨りガラス越しに醜いぼくを見ていてほしい。靄がかかれば平たい意識と肌色になり、まるで人形のようで居られるから君だって美しいと言ってくれるんだ。けれど、それが赦しではないとわかっている。