liite_13-37

雑な文章、メモ、記録。


犬のように飴玉を待って、口を開けば閉じた鋏が舌に当たる。ひんやりとした金属の味がゆっくりと喉の奥まで近づいて、嗚咽する瞬間に出て行った。目を開けられずにいると、呼吸の前でかしゃんと鋏を閉じる音がして、ぼくを予期させる。痛みには誤差があって、いつも傷だらけになり、幾分化膿してから気付く。痛くても今更泣き喚く気にはなれなくて、涙がだらだらと滴っていくので湿度が上がった。

 

浴室に嘘を閉じ込めて、監視していて。磨りガラス越しに醜いぼくを見ていてほしい。靄がかかれば平たい意識と肌色になり、まるで人形のようで居られるから君だって美しいと言ってくれるんだ。けれど、それが赦しではないとわかっている。