liite_13-37

雑な文章、メモ、記録。

夜明け

 

慣れてしまうともうどこにも行けないような気がして、少しだけこわくなる。だけどそれは安心することと同じなのかもしれない。知らない匂いに埋もれているうちにそこに居るわたしはわたしではなくなっていく。強固な執着でさえ変容するものなのだと気付かされたとき、これまで自分自身を支えていたものがぽっきりと折れてしまったように思え、胸が痛んだが、同時に安堵した。

 

制服のわたしはずっと泣き出してしまいそうだった。どうか伏せていて、と願うのは君が眠りに落ちるとき。長い睫毛をきれいだと思うわたしはやはりわたしではない。願いは朝焼けになるために夜明けを待っていた。わたしは待ち切れずに、そのまま遮光カーテンのことを忘れてねむった。